2011年7月21日木曜日

Fluke 177 フルーク デジタルマルチメーター

お気に入りの道具の道具の第1弾は、Fluke 177(フルーク デジタルマルチメーター 177)です。
最近では「デジタルマルチメーター」略して”DMM”って言うんですね。でもやっぱり、これは「テスター」ですよ、僕にとっては。

さて、この「テスター」ですが、僕のように電子工作を楽しむ人間にとって、「半田ごて」と並んで、最も登場頻度が高い道具だと思います。これまでは、秋月電気で売っている、中国製¥2,980円のDMMを使っていました。はっきり言って、性能的にはこれでほとんど不足を感じませんでした。逆に、安いモデルの方が、コンデンサの容量が計れたり、トランジスタのhfeが計れたりと多機能だったりします。

一方、職場では、備品としてFluke87が何台かあります。
これを使うと、やっぱり、「高級品」違うな〜、と、つくづく感じていました。

まず、精度が高いだけあって、表示される最後の数字(有効数字が4桁なので、例えば[1.125V]という表記)まで、バシッと数値が決まります。
ただ、それ以上に印象的なのは、機械的な堅牢性ですね。ダイヤルを回した時のクリック感とか、エラストマー素材で構成されて持ちやすいけど、剛性感のある本体とか、そういう機械的な部分で、使う度に「良い道具だな〜」と感じていました。

そして、なりより、一番の良いところは、会社の中で手荒に扱われても全然壊れていない事。そして、そうやって使い込まれて、所々にキズが付いた古い物でも、全然みすぼらしくならないことでしょうか。

とはいえ、Fluke87は、家庭で使うにはちょっと大きすぎるし、重すぎます。そして、何より値段が高すぎます。

ということで、さんざん迷ったあげくに買ったのが、87よりも一回り小さい177を買いました。精度が若干落ちる(とは言っても、87:0.005%→177:0.007と十分に高精度)ことと、耐圧が上がる(そもそも、そんな高圧機器は扱いません)ぐらいで、それ以外の性能はほぼ同等です。

で、使ってみると、やっぱり良いですね〜。
取り出す度に、ダイヤルを回す度に、そして、値を計る度に。やっぱり良いな〜、とほくそ笑んでいます。

2011年7月15日金曜日

6B4G 全段差動PPアンプ 製作編#4(未完成ながら周波数特性)


未完成(この台詞、しつこいな)ながら、周波数特性も公開します。
-3dBのポイントでは、20Hz〜60kHzの帯域を確保しています。

これはこれで優秀と言えますが、ぺるけさんの回路だと、低音側は10Hz以下を優に確保していますし、高音側も100kHz以上延びていますので、回路的な追い込みは、まだまだと言ったところでしょうか。

6B4G 全段差動PPアンプ 製作編#4(未完成ながら回路図とスペック)

色々と問題を抱えていますが、現在の完成型になりましたので回路図とスペックの公開です。

主要部品は以下の通りです。

 出力管(真空管):6B4G 差動PP
 ドライバー管:12AU7 差動PP
 初段管:6DJ7 差動PP
 電源トランス:TANGO GS-250
 出力トランス:TANGO FE-25-8
 ケース: TUBEWORKS KS-320

例によって回路は、ぺるけさんの「全段差動PPアンプ」のコピー回路になっています(まあ、細かい回路常数はいじっていますが)。

なお、入力がバランス入力です。現在、画策中の「バランス出力DAC」と「バランス出力フォノイコ」を受ける為に、パワーアンプだけ一足先にバランス化しました。

ただ、今はアンバランスで使っています。アンプのゲインもバランス入力に合わせたので、この状態だと全然出力が出ません。たぶんフルボリュームで4Wぐらいです。でも、家庭では十分すぎる「爆音」が出ます。

白状すれば、FBゲインは高すぎ、残留ノイズも1mV(左右とも)、それよりも、直結にしたドライバー段の動作電圧が足りずに、出力管より先にゲインが頭打ちになるという情けない状態になっています。段間コンデンサを入れるか、280Vタップを使って専用に高い電圧を作るかしないとだめですね。

とはいえ、これから8月にかけて仕事の方が忙しくなりそうなので、一度、ここで完成としてしばらく音の評価をしてみたいと思います。

2011年7月6日水曜日

6B4G 全段差動PPアンプ 製作編#3(とりあえず完成)


とりあえず、
  すべての半田付けが終わって、
    各部の電圧の確認が終わって、
      音が出ました。

まだまだ、残留ノイズもありますし、本当に完成しているか自信が無いので、これからデバックを開始します。
シャーシレイアウトとしては、結構コンパクトにまとめられたのでは無いかと思うのですがいかがでしょうか?

(ここから加筆分です)
詳しい回路図が、体力測定の結果は、これから掲載する予定ですが、とりあえずちゃんと動いているようです。なので、しばらくこの状態で使ってみる予定です。

いずれ変化するかもしれませんが、現時点での印象を少し。

まず、音についてですが、良くも悪くも「中庸」です。差動PPの音はかなり好きなので、これまで3極管の300Bと、5極管のEL34を使った差動PPアンプを作っていますが、今回の6B4Gの音は「その中間」という感じです。音色はきれいなのですが、EL34のエッジが切れるようシャープさは無いし、300Bのゴージャスな響きもありません。

悪く言えば「個性が無い」という事になるのでしょうか。自分で作っておいてこう言うのも何ですが、少なくとも作って1日聞いた時点では、あんまり気に入っていません。がんばったのに、ちょっとガッカリしています。

ただ、こういう中庸な音って聞き込んで見ないと本当の良さが分からないし、細かいチューニングもまだまだなので、もう少し時間をかけて判断をしたいと思います。

ただ一つ言える事は、このアンプ暑すぎます。

今回、低内部抵抗の球を使って広帯域のアンプを狙ったため、

 初段:6DJ8(6922)
 次段: 5687WA
 電力増幅段:6B4G

という構成になっているのですが、この5687の発熱がすごいですね。まあ、ヒーター電力が6.3V*0.9A=5.7Wもあるので当たり前なのですが、実際に作ってみると想像を超える暑さです。

ちなみに、シャーシ表面の温度で47℃(室温25℃)。

これじゃあ、電子部品の耐久性にも影響が出るし、そもそも、電力不足が叫ばれる今年の夏に極めて「非国民」な出来になっているので、他の球を使う事を考慮中です。

無難なところで、増幅率が同程度の12AU7にすか、それとも、初段と同じ6DJ7にしてゲイン計算をやり直すべきか、思案中です。